骨折リスクは減らすことができる。それは骨の機能性を高め、骨折の治りを早めことにもつながる。その方法が「骨年齢」の改善だ。
骨年齢と反発力
スポーツ選手は、骨の反発力を上手に活かしている。ゴルフクラブ、野球のバット、テニスラケットのように、しなり戻り(反発力)を、飛距離や打球の強さにつなげているのだ。
その反発力(しなり)が骨年齢のバロメーターになる。「しなり度」は、骨年齢が若いほど高く、老化するほど低い傾向にある。
骨の反発力(しなり)の秘密
反発力が大きい骨は折れにくい。それは骨内の線維タンパク質といわれる「1型コラーゲン」の働きで、骨重量の20~30%を占める。
骨はカルシウム!ではない。それだけでは折れやすく流出してしまう。1型コラーゲンがカルシウムを結合させて骨密度を維持するのだ。
鉄筋コンクリート=骨構造
骨の構造は、鉄筋コンクリートに例えられる。コンクリートの柱には、鉄筋が入っている。この鉄筋数が建物の強さの決め手になる。
コンクリートだけでは耐荷重が小さく、少しの揺れでも崩れ落ちてしまう。大きな地震に耐えられるのは、鉄筋が多いからだ。
骨に例えると、コンクリートがカルシウムで、鉄筋が1型コラーゲンということになる。
骨が老化・劣化する原因
1型コラーゲン量は、加齢とともに減少!すると骨密度は低下し、進行して骨粗鬆症に。しかし骨の老化原因は、加齢だけではない。
若くても起きる骨の老化
1型コラーゲンの代謝を妨げる睡眠不足や暴飲暴食、骨に負担をかけない生活、1日の代謝量を超えた運動などで、骨年齢は老化する。
女性に多い疲労骨折
疲労骨折は一部分への連続的圧力で、タンパク質が破壊され起こる。通常は1~2日で再生されるが、過度に力が加わる、月経などのホルモン変化による代謝低下が重ねり発生する。
骨年齢を改善3ポイント
骨年齢は実年齢に関係なく、改善されることが報告されている。そのポイントは
- 骨への適度な負荷
- 成長ホルモンの分泌促進
- 骨タンパク質の積極摂取
適度な運動と負荷
栄養の供給には優先順位がある。筋トレをすれば筋肉量が増えるように、負荷・損傷したところが優先される。
骨に負荷をかけることで、栄養をより多く届けられる。反対に負荷が少ないと、代謝が不活発になり骨内タンパク質量は減少する。
運動量は個人差があるので、ご自身に判断をゆだねたい。目安は翌日の疲れの状態だ。
成長ホルモンの分泌促進
成長ホルモンの分泌量で、代謝量が変わる。その分泌タイミングは2つある。
1つは運動直後だ。運動強度が高いほど成長ホルモンが多く分泌されるが、長く続かない。
2つめは成長ホルモンが爆増する「ゴールデン・タイム」だ。入眠直後から90分間のノンレム睡眠帯で、深い眠りが条件になる。
骨タンパク質の積極摂取
骨タンパク質を増やすには「1型コラーゲン」を食すことだ。通常は1日2~5グラム程度だが、骨折時などはその3~5倍量が望ましい。
1型コラーゲンの代謝(合成量)は、ビタミンC量に比例する。さらにビタミンB群、総合ミネラルも代謝には欠かせない成分だ。
具体的な実施方法は、後日お届けします。