良い塩をとることで、次のような作用を期待できます。
- 疲労を遅らせる
- 疲労の回復力を高める
- 持久力を向上させる
- なめらかな筋収縮を持続
- こむら返りを減らす
- 心拍数を安定させる
- 認識力や判断力の維持
- 水分保持率を維持
- その他多数
カラダに良い塩、悪い塩
塩には「運動機能を高める塩」と「体調を崩す塩」があるって、知っていましたか?
良い塩は、血圧を気にすることなく、パフォーマンスを高めてくれます。一方「悪い塩」は、体調や脈拍を乱し、運動機能を低下させ、ケガもしやすくなります。
ちょっとお高いですが、普段から良い塩を使うことをおススメします。
発汗でのミネラル流出と機能低下
汗をかいた分だけ、ミネラルは流出します。
その結果、疲労回復の遅れ(バテ)、水分保持率の低下、筋収縮と筋弛緩の鈍さ、判断力や認識力の低下、気力の低下などが起こります。
スポーツの種類 | 発汗1リットルの目安時間 |
---|---|
マラソン | 30分または5キロ |
サッカー(26℃) | 23分 |
ゴルフ(23~32℃) | 9ホール |
軟式野球 | 40分 |
剣道(30℃) | 10分 |
ウォーキング | 2時間 |
スポーツ平均 | 33分 |
睡眠 | 8時間 |
発汗量は環境や気温湿度によって大きく変わります。また汗に含まれるミネラル量は一定ではありません。生理食塩水濃度からすると、汗1Lあたり9gとなります。継続的な発汗だど2~3gとされています。
サッカーの試合にフル出場すると、4L以上の汗をかき、8~36gのミネラル流出ということになります。かなりの量ですが、それをカバーしないと、ミネラル欠乏状態ということになります。
カラダに良い塩、悪い塩とは?
生命維持には「塩」はゼッタイ必要!そんなの常識ですよね。
他方「塩を摂りすぎはカラダに悪い!」とも言います。一体どっちが本当?
カラダに良い塩、悪い塩の違いって何ですか?
その答えは、めちゃくちゃシンプルです!
- カラダに良い塩=天然塩(塩化ナトリウム80%)
- カラダに悪い塩=食塩(塩化ナトリウム99%)
この19%の差が、パフォーマンスに変化を与えます。その中には運動機能に必要な、様々なミネラルが含まれています。一方食塩は、塩化ナトリウム以外、ほとんど含まれていません。
食塩をたくさん摂ると、一瞬で血圧が上昇します。しかしミネラルバランス良い天然海塩は、血圧上昇が起こりません。
その理由は、カリウムがナトリウムを排出するからです。総合ミネラルは、互いに拮抗(監視と制御)しているのです。
ミネラルを薬に変える黄金比
ミネラル単体では、毒性や人体に悪影響を与えることがあります。例えば、亜鉛、銅、塩素、クロム、コバルトなど、中毒性もあります。しかし生命にとって重要。どうすれば毒性や中毒性がなく、有効活用できるのか?
答えは、めちゃくちゃシンプルです。
それは体内のミネラル比率でとることです。欠乏したら総合的にミネラル摂取しましょう。毒性や中毒性を抑え、ミネラル効果を得ることができます。
その黄金比とは「体内のミネラル比率」です。その比率を摂る方法が、天然の海塩を使うことです。
ご注意ください!
「天日塩」「天然塩」「海塩」といっても、安価で粗悪な塩が多くあります。原料は海水や天日干しであっても、天然割合を維持しながら製造している塩は、それほど多くありません。しっかり商品を確認しましょう。
生命は海水から誕生!
なぜ天然の割合が重要なのか?
全ての生命体は、海から生まれましたよね。最初に陸上にあがった生物は「体内に海を持つことができた」といいます。つまり体液の由来は「海水」なのです。その証拠に、海水のミネラル割合と体液のミネラルバランスはほぼ同じ!
ですから天然塩は、体液バランスと近いから、何の抵抗もなく「美味しい塩」と感じるのです。ちなみに体液とは、体内にあるすべての液体で、血液・リンパ液・脳髄液などです。
生命の基礎-ミネラル
ミネラルは、すべての栄養素の土台です。これがなければ、人の細胞は1ミリも動きません。その体内量が減るということは、すべての細胞は動けない方向に向かうということです。
ピンとこないですよね。もしあなたがビタミン剤やプロテインを使っているとしたら、ミネラルが欠乏していたら、吸収も代謝もしません。ということです。
ミネラルの役割
必須ミネラルは16種類とされ、そのうちの9種類が、成人の体内に10mg以下しか含まれない微量元素です。わずかな量ですが、欠乏すると運動機能に大きなダメージを与えます。
主なミネラル | 運動に関する主な機能 |
---|---|
ナトリウム | 細胞浸透圧の調整、水分保持、筋収縮、栄養の吸収・運搬 |
カリウム | 細胞浸透圧の調整、神経伝達、心臓の筋収縮、酵素調整 |
カルシウム | 筋収縮、神経伝達、精神安定、血液凝固、骨硬度成分 |
マグネシウム | 筋弛緩、代謝全般、筋痙攣防止、ホルモン分泌、血圧調整 |
リン | 代謝補助、神経伝達、心臓・腎臓の正常化、骨の構成 |
塩素 | 胃酸の酸性維持、殺菌作用、消化酵素の活性化 |
硫黄 | アミノ酸の要素としてタンパク質構成 |
鉄* | 造血作用、血中酸素保持、免疫機能維持、抗菌効果 |
亜鉛* | DNA合成、発育成長作用、細胞修復、味覚の正常化 |
銅* | 血のミネラル、鉄代謝、貧血防止、活性酸素除去 |
マンガン* | 糖代謝、脂質代謝、骨の発育、酵素成分 |
ヨウ素* | 甲状腺ホルモンを構成、成長モルモンに関与、代謝促進 |
セレン* | 抗酸化、老化抑制、甲状腺ホルモンに関与 |
クロム* | 炭水化物代謝、脂質の代謝、血圧・コレステロールの調整 |
モリブデン* | 酵素成分、老廃物の分解、糖質代謝、脂質代謝 |
コバルト* | ビタミンB12の構成要素、悪性貧血の予防、神経正常化 |
おまけの塩話
なぜ悪い塩が普及したのか?
イオン交換膜製塩法が普及したことで、海水から大量に塩を作ることができたのです。海洋汚染による安全性の意識も後押ししたようです。その結果、海水から塩化ナトリウムだけを取り出し、塩味を安く大量に使いことができるようになったのです。
その恩恵は、安価ということと、加工品製造の安定性が高まったことです。
しかし、それを境に、高血圧や心疾患が急増していったのも事実です。
食品工場の運営している友人に聞いたことがあります。
「なぜ天然塩を使わない?」と
すると「コストと安定性が比較にならないほどいいんだよね。」
参考文献
「塩を変えれば体はよくなる」著者:カン・ギョンシク韓国国立木浦大学教授/現代書林、「日本人には塩が足りない」著者:村上譲顕/東洋経済、